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投稿日:2010/11/12(金) 01 04 30 あれ?化学って宿題出てたかな? 土曜の夕方、そんなことが気になって私は電話を取る 普通に考えたら和やムギに聞くのが賢明なんだけど なぜか私が選択したのはあいつの番号 でも律が覚えてるわけないかな・・・ そんな嫌味を思い浮かべながら呼び出し音を聞いていると 10回くらいでその音は 睡魔を押しのけ絞り出したような声に変わった 「おはよぉみおー」 なんだよ、寝てたんだな。のんきなもんだよホントに 私が困っているって時に・・・とりあえず何してたかを聞いてみたら 「んー。唯んちで寝てた」 唯も一緒か。たまの休日でも二人は休むことなく遊びに熱中する その熱意を然るべきものに向ければ一定以上の結果を出せるのに 二人とも宝の持ち腐れだよな。 この状態の律に宿題の有無を聞いても打てども響かずになるだろう 適当に罵声を浴びせ電話を切り、 少し落ち着くと・・・しめしめと湧き出してくるよからぬ感情 「唯の部屋で・・・か」 なにもいわゆる「アレ」な関係ってわけじゃない、普通の仲のいい友達同士じゃないか。 今私が考えているあんなことやこんなことをするわけないじゃないか でもダメなんだな、一度マイナスに考え出すとそれは抑制の効かない嫉妬へと変貌する どうしようもない嫉妬心とアレな妄想で混乱しはじめたとき、私の電話が唯からの着信を伝える 「こんなときにいい度胸だな!!」 なんて言いそうになったのはここだけの話、できるだけ平静を装い私は電話に出る 「もしもし澪ちゃん?あのさ・・・」 ―――――――――――――――――――――――――― 私が律の体を支えながら唯の家を後にするこの状況 説明しないと一体なにがあったんだと誰もが混乱するような状況だが、なんのことない 私のベッドで寝たまま起きる気配のないりっちゃんをなんとかしとくれ澪ちゃんや といった内容の電話を唯がかけてきただけの話。 なんで私なんだよ!といったツッコミはそのときの嫉妬の嵐が渦巻くかのような精神状態からは生まれず 依頼に素直に従い、律を無理やり叩き起こして回収した。 正直嫌だった 律がその無邪気な寝顔を、私以外の人間に見せること 授業中に寝たり、合宿や修学旅行の就寝時であれば その寝顔が周囲に晒されることになろうとも、我慢することは容易だった しかし唯と二人きり・・・この状況はまったく別物だろ? 唯がちょっとでもアクティブだったら・・・まったく失礼なこと考えるな私 この状況に対する面倒くさいという気持ち、嫉妬を含んだ複雑な気持ち、今律が横にいる安心感 数々の気持ちが渦巻く中でふと横を見る そこにあったのは、初めて出会ったときの無邪気さを残した律の表情だった ドス黒い感情が全て吹き飛び、ただ笑顔をこぼしてしまった私は いったいどれだけ律のことが好きなんだか・・・それは全知全能の神にだって計れぬことだろう 名前 コメント
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澪「りつ最近牛乳ばかり飲んでないか?」 律「っへ!?い、いやー背を伸ばそうかなーと思ってははは…」 澪「? なんで今頃?というか流石に成長期終わってるし今からじゃそんなに伸びないと思うぞ」 律「い、いーんだよ!!それに私牛乳好きだし、ほらそれより借りてきたDVDでも見ようぜ」 澪「あ、うん(何焦ってるんだろ?…ん?ベッドの下にから本がはみ出してる?)」 澪「りつーこの本なーに」 律「あ、待っt」 澪「えーと?これであなたの胸も大きくなる!!胸を大きくする100の方法…」 律「あ…」 澪「…っぷ」 澪「あはは!あはははは!!律が胸を大きくする方法ってあははは!!」 律「……」ジワ 澪「あはは!!な、なんだ律ったらこんな本買っちゃうほど胸の大きさなんて気にし…え?」 律「う、うぇえええん…」ポロポロ 澪「え?え?律?」アタフタ 律「うわぁぁぁああん」ポロポロ 澪「ご、ごめん律、そ、そんなに気にしてたとは思わなくて…その」アタフタ 律「うぅ…」ポロポロ 澪「え、えとそのごめん、本当にごめんなりつ」ギュウ 律「……」ピタ 澪「…泣き止んだ?」 律「…泣いてねーし」ギュ 澪「いや思いっきり泣いてただろ…」 律「……」 澪「そ、その胸だけど、そ、そんな気にする事でも無いと思うぞ」 澪「大きくても男の人とかに見られるのやだし、運動とかもしにくいし…」 澪「だから律も胸の事くらいでそんなに悩まなくてもいーんじゃないかなーって」 律「…澪のためだよ」 澪「へ?わたし?」 律「私さあ…澪のこの胸大好きだよ」 澪「なっ///い、いきなり何言い出すんだ///」 律「すごく温かくて柔らかくてふわふわしてきもちーし今こうやって抱きついてる時も包まれてるみたいですごく安心できる…」 澪「え、えと///」 律「だけどさ…私の胸小さいから澪はこの気持ち味わえないんだろうなーって」 澪「……」 律「なんか私ばかり良い思いしちゃってるんじゃないかって、澪にその…申し訳なくなっちゃって」 澪「…バカだな律は」 律「……バカとはなんだ」 澪「確かに律の胸は、その、あまり大きいとは言えないけど…」 澪「それでもわたしは律の胸大好きだよ」 律「……」 澪「小さくてすごく可愛くて、触るだけで、ああこれが律の胸なんだなー私幸せだなーって」 律「……」 澪「大きさなんて関係ないだろ?その、えっと大好きな人の胸だから大好きなんだよ///」 律「……うん、そーだな」 澪「ふふ…まったくこんな事で悩んじゃうなんてな…だけど、私のためにありがとう律」 律「うっ…うっさい!」 澪「…ねえ律、今誰もいないよね」 律「聡は友達んところだし、父さんと母さんもしばらく帰ってこないな」 澪「そっか…ベッド行こうか」 律「…澪しゃんのえっち」 終わり りっちゃんかわいい!! -- 名無しさん (2012-06-22 06 19 14) 名前 コメント
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投稿日:2010/09/09(木) 23 31 05 アパートのベランダに出る。吸い込めば、肺の中にじんわり広がっていくのが感じられるぐらい冷え切った夜の空気。少し深呼吸をして、どてらのポケットから携帯を取り出してリダイヤルの画面を呼び出す。 もう何百回となく見たあの番号を見つめながらほんのわずかに勇気をこめてボタンを押すと、右から左へ流れてく。 プルルル プルルル プッ 澪「もしもし」 律『もしもーし』 澪「うん。おつかれさま。体調はどう?」 律『ちょっとつかれた』 澪「律の好きなチーズケーキ買ってあるぞ」 律『澪だいすきーっ』 言ったそばから消えていってしまいそうなぐらい、なんともない話。ただ、大好きなあなたの声が聞きたい。話していたい。側にいるからこそ、素直になりたいから。 律が今のバイトをやめて、夜の居酒屋のバイトをやると言い出した。 律「時給も良いし、夕飯代うくんだぜー」 澪「で、でも、まだ貯金あるし…」 なかなかうんと言わなかったら、律が言った。 律「あたし高校と大学と私立だろ。聡もまだまだ金かかるし。あまり親に頼れないよ」 澪「それなら私だってシフト増やすよ」 律「うちの問題だからさ」 やんわり拒絶されて、私もこれ以上言えなかった。 お互い言葉には出さなかったけど、二人でいる時間はめっきり減った。交代で作っていたご飯はいつも私一人分になり、律は真夜中に疲れて帰ってきて会話も減った。たまには丸一日一緒にいたいって思っても、それは私のわがままだって言い聞かせて。 だから、たまに二人で一緒にいられる夜は必死に律を求めて、抱きしめて、がまんできなくて泣いた。そんな私の頭を律はゆっくり撫でてくれた。 そんなことが数週間たったある日。その日も律はバイトで、私はヘッドホンをして作詞をしていた。ムギの作ってくれた曲はアップテンポの激しい曲なのに、私の歌詞は………今回は唯に頼もうかな……。メールしようと携帯に手を伸ばしたとき、ディスプレイがパアァッと光りだした。 澪「り、りりぃつぅ?」 律『おー、起きてたか』 時計を見るとまだ日付が変わってない。 律『今日ヒマでさ、今から帰るよ! 澪ちゅわんが泣かないうちにさ!』 澪「だ、誰が泣くかっ!」 言ってるそばから体がぽっと熱くなるし、笑顔になっていく。何でこいつの声はこんなに人を元気にさせるんだろう? 唯とムギ。梓の話、私のバイトの話。今まで話す時間がなかったことをずっと話した。そういえば、高校生の頃は毎日電話してたっけ。 律『あたしさ、結構今のちょっと足りない関係。好きだったりするんだよ』 ずっと話してるから、電車に乗らないで歩いて帰ってきてるみたい。 澪「なんで?」 律『だって澪ちゅわんの涙で濡れた寝顔見れるもんなっ!』 澪「誰が泣かしてるんだ!」 あの頃よりずっと二人でいる時間は長いはずなのに、どうしてこんなに話すことが多いんだろう。素直に話せるんだろう。 律『安心するんだ』 澪「え?」 律『澪一人で寝るとき、いつも豆球だろ? あたしのために玄関の明かりをつけてくれてるだろ。あれ見るとさ、澪家にいるんだな、待ってくれてるんだなって、すっごくうれしくなるんだ。 ほら、今日だって』 私は携帯を握り締めたまま玄関を飛び出した。 それからは減った二人の時間を埋めるように電話したり、メールして。 律『なに?』 澪「幸せだなって」 今日もベランダから見える家々の明かりひとつひとつがすごく暖かく見えて……。 澪「ぶぇっっくしっ!!」 律『なにやってんだよ』 そろそろ律、見えるかな。やっぱり待ってるってのがいいんだよな。 恋人気分、出るしね。 この雰囲気、いいですね! -- 名無しさん (2011-05-20 01 02 41) 名前 コメント
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投稿日:2010/11/02(火) 01 23 53 「仲間内で飲み会やるんだけど秋山さんもこない?」 大学で知り合った友達に飲み会に誘われてしまった。今日は律は講義が ないのでお休み。どうしようかな… 「あんまり遅くならないから行こうよ」 まあ女子大の仲間内の飲み会だし大丈夫かな。律からも友達づきあいは 大事にしろって言われてるし。悪い人じゃないしね。 「うんまあ、あんまり遅くならないならいいよ」 講義も終わってその子と一緒に会場の居酒屋に向かった まではよかったんだけど… 「おっ!待ってたよ~。そちらの可愛い子は?」 「!!!」 「あ~同じ大学の秋山さん。一緒に参加するからよろしくね」 なっ!なんで男の人がいるの!? 「なっなんで男の子がいるの…?」こっそりと聞いてみると、 「あはっ実は合コンのメンバーが一人足りなくてさ。みんな悪い人 じゃないから大丈夫だよ」 なんていわれてしまった。だっ騙された、どうしようどうしよう… 「ちょっちょっと、電話してくる」 そそくさと店の通路にでて携帯を開く。りりりっ律にメールしよう。 (り~つぅ~りぃ~つぅ~)カチカチ ドンナニサムクテモ~♪ 「おっ澪からメールだ。なんだろ…って!?!?!?!」 「秋山さんだっけ?ここ空いてるよ」 うう…メール打ってる間に席が埋まって男の人の隣しか空いてない… とりあえず座るしかないよな 「秋山さんて可愛いよね。彼氏とかいないの?」 「いっいえ…」 もう帰りたい…でもまだ30分しかたってないし… 「あれ?秋山さんって合コン初めて?そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」ガシッ! 「ひっ…」 かっ肩に手を回された!!律以外の人に触れられたくなんてないのに もういやだもういやだ律!律!律! 「おっ待たせ~愛しの澪ちゃんを迎えにきましたよ~」 「律!!」 「たっ田井中さん?」 「は~いそこの人。手を離してね~。さっ帰るよ澪」 律が私の手をとって席から連れ出してくれる。よかった。もう安心だ。 「え~。君、秋山さんの友達?君も可愛いじゃん。一緒に飲もうよ。なんなら奢るよ?」 隣に座ってた男の人が律を引き止めて手を取ろうとしてる。りっ律にまで触るなんて! 律はその手をサッとよけると「悪いけど間に合ってまーす」と私を連れて店の外へ 「ちょっと困るよ田井中さん」今度は私を騙した娘が律のところへ 「あー悪いな。澪は先帰るけど会費はきっちり払うからさ」 あ、これは律かなり怒ってる 「でも合コンの人ず「今度澪を騙すようなマネしたらタダじゃおかないからな」 律の剣幕に圧されたのかもう引き止められることはなかった。 帰り道。家に着くまで律は私の手を離さないでいてくれた。 「律、りつぅ~」 家につくと同時に私は緊張の糸が切れて腰が抜けそうになり律にしがみついた。 「澪ごめんな。迎えに行くのが遅れて。怖かっただろ」 そういって律は私をしっかりと抱き締めてくれた。ああやっぱり律の腕の中は 安心する。 「律。助けにきてくれてありがとう。かっこよかったぞ」 「…っ!全く澪は。あんな野郎に肩抱かれたりしちゃってさ。」 あ、律照れてる。それにもしかして妬いてくれてるのかな。 「ごめん…今度から気をつける。私も律以外の人に触れられたくないし。ほんとにありがと」 いろんな気持ちをこめて律にそっとキスをした。 「/////////!!!みっ澪が悪いんだからなっ!!」 いつもは私がいう台詞をいって律が私を押し倒してきた。照れてる律にあんなことしたら そりゃこうなるよね。でもいいんだ。今夜はずっと律に包まれていたい。 私は律に全てを委ねた。今日はほんとにありがとね律。これからもずっと私を守ってね。 これはイチオシ!澪を優しくかっこよく守る律ここに極まれり! -- 名無しさん (2010-11-24 04 07 00) りっちゃんかっこいい~( p ) -- かっとまん (2010-11-26 00 39 51) 澪のために怒るってのがかっけー! -- 名無しさん (2011-03-28 02 34 41) りっちゃんがイケメンすぎて最高!! -- 名無し (2011-04-10 01 35 12) りっちゃんイケメンすぎ、これは惚れる -- 名無し (2011-04-12 16 32 04) りっちゃんかっこいい!しおらしくなる澪ちゃんもかわいい -- 名無しさん (2011-08-01 16 56 05) 小中学生の頃にもこうやって律が澪を守っていたのかもしれないな。 -- 名無しさん (2011-08-02 00 53 59) りっちゃんイケメン〜! -- 名無しさん (2012-12-27 20 36 21) 名前 コメント
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105 名前:SS「雛どりっちゃん」[sage] 投稿日:2009/07/13(月) 00 54 26 ID KjiZSUya 律「……」イライライライラ 澪「……もぐもぐ」 紬「……」かりかり 律「だぁーっ!やってらんねぇ!蟹美味いけど面倒くさいんだよう!あたしはもう蟹は一生カニカマと缶詰でいい!」 澪「まぁまぁ律、落ち着いて食べようよ。せっかくムギが持ってきてくれたんだしさ」 紬「ごめんねりっちゃん。今度は遺伝子操作で殻がない蟹作ってもらって持ってくるね」 律「い、いえ流石にそれはいいです……」 憂「はいお姉ちゃん、あーん」 唯「あーん」 律「唯はいいよなぁ。憂ちゃんがむいてくれるんだもん」 憂「いいんですよ私は。蟹は特に好きじゃないですし、細かい作業も嫌いじゃないですもん。(お姉ちゃんが大好きなだけです)はいお姉ちゃん、あーん」 唯「あーん」 憂「はーい次はポン酢つけるよー」 唯「あーん」 律「まるで母鳥と雛鳥だなぁ」 梓「姉妹逆転関係がついに母娘にまで」 澪(母鳥……雛鳥……餌付け……ちっちゃな雛律……「みおー、あーん!」もぐもぐ……「みおがとってくれたかにおいしいー!みおだいすきー!」)ゴクリ 律「仕方ない、また謎の棒で蟹肉をむしる仕事にかかるとしますか」 澪「り、律!私がかきだしたのがあるからこれ食べなよ!」 律「え、いいのか?澪かに嫌いだっけ?」 澪「嫌いじゃないけど、お腹いっぱいになっちゃってさ。暇だからむしっておいてやるよ。(大好きだし、律のことが)」 律「ほんじゃ遠慮なくー♪」ヒョイパクモグモグ 澪「あっ……そうじゃなくて、律、あーん」 律「え、恥ずかしいよ。それに一人で食べられるし」 澪「いいからいいから。憂ちゃんと唯もやってるじゃん」 律「でも……」 梓「いいじゃないですかたまには甘えれば。面白そうだし」 律「梓……?……まぁいっか。あーん」 澪(律の唇律の歯律の舌……おいしそう……) 梓「律先輩なんで目まで瞑るんでしょうね」 紬「まるでキスをせがんでるみたいね」 澪「律、美味しい?」 律「美味しいよー。次はポン酢がいいなー」 憂「お姉ちゃん、次は蟹の出汁がたっぷり出た雑炊だよー」 唯「あーん」 梓「バカップルが2組……」 紬「好かれてる方は自覚がないから恐ろしいわねぇ」 季節外れだけど某化物語再放送見てたら蟹という言葉が出てきて思いついたので。 りっちゃんは蟹の身をむしるの面倒くさがりそう。 一気にずぽって抜けたら見せびらかしにきそう。 出典 【けいおん!】田井中律は1234可愛い40【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る 澪ちゃん・・・www -- (名無しさん) 2010-12-18 00 09 56 澪の変体ぶりは異常wwwww -- (名無しさん) 2009-07-21 23 00 57
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一月十五日は私、秋山澪の誕生日だ。 正直なところ友達があまり多くない私は、小学校で田井中律と仲良くなってからは毎年この律を家に呼び家族とパーティをしてこの日を過ごしていた。 律と仲良くなるまではパパとママと私だけ、少し寂しくも感じた。 けれど律を呼ぶようになってからはそんな寂しさを感じることもなくなっていた。 そして家族と律と過ごす誕生日は中学時代までずっと続いたんだ。 中学を卒業して、やはりというか、私と律は同じ高校に入学した。 そして律に引っ張られる形で軽音楽部に入り、そこで私にとっては律以外で初めて親友と呼べるメンバーに出会った。 そんな親友たちが私の誕生パーティを開いてくれるのは、私がいうのもおこがましいのだが、自然のことだったように思う。 さすがに両親と友人を交えて、というのはなんだか気恥ずかしく感じられたためメンバーの自由な家を借りて行ったのだが、とにかくそれはいつもとは違う一月十五日だった。 いつもと違うことが悪いというのではない。 むしろそれはとても喜ばしいことに思えた。 だがパーティが終わり帰宅、そして寝床に就く時には何故だか物足りなさが残っていた。 一年が過ぎた。 その時には私にも後輩ができていた。 やはり、前年と同じように皆が私の誕生日を祝ってくれた。 パーティが終わり、帰って寝た。 やはり物足りなさが残っていた。 なぜ物足りないのだろう、意識が無くなるまで思案した。 意識が薄れるにつれ、思考が単純化していくのがわかった。 そしてそれが単純になればなるほど、その答えが浮き彫りになっていった。 なんだ、これだけのことだったのか。 そう思ったうちには既に眠りに落ちていた。 そして更に一年が過ぎた。 私は受験生になっていた。 そんな私にとって、大学入試を大きく左右するセンター試験と同じ時期にあたる誕生日は無視せざるを得ないものとなった。 それが少しも辛くないと言ったら嘘になる。 だが仕方がないと諦められるぐらいには大人になっていた。 そんな中でもささやかなプレゼントを送ってくれた友人たちの心遣いにはひどく感謝した。 次の春が来た。 私たち軽音楽部の受験生組は全員が同じ大学に入学した。 また同じメンバーで音楽を続けられることが嬉しくてたまらなかった。 そんな幸せな大学生活も間もなく一年が過ぎようとしていた頃、私の十九回目の誕生日が訪れた。 ――――― ――――― その日私たちはやはりメンバーの自由にできる家、平沢唯の実家に集まって誕生パーティを行った。 受験生でありながらほぼ全ての準備をまかなってくれた彼女の妹には頭が下がる。 更には私たちが去った後の軽音楽部を支えてくれた後輩たちも集まってくれ、その場は大いに盛り上がった。 幸せなことだと思う。 やがてパーティは終わり、私たちはそれぞれの帰路についた。 ここで私は律と二人きりになる。 律「パーティとか祭りとかってさ、終わった後すごく寂しくなるんだよなー」 澪「情緒だな」 律「それにしても澪の十代も残り一年か…」 澪「律に関してはもう半年とちょっとしかないけどな」 律「四捨五入したら一緒だ!」 澪「はいはい」 律「…ふぅ、それにしても寒いなー…」 澪「うん」 律「梓たち、受かるといいな…」 澪「うん」 律「そしたら今度はもっと気がねなくパーティしような」 澪「あ…うん。うん」 律「へへへっ」 澪「………」 律「………」 澪「…なぁ、律」 律「うん?」 澪「誕生日なんだし、その、わがままの一つぐらい聞いてもらえないかな…?」 律「おお。言ってみ言ってみ」 澪「えっとその…今から泊まりに来ない?」 律「え?それだけ…?」 澪「うん…だめか?」 律「そんなのわがままでもなんでもないだろ。いいよ、いくらでも泊まってやる!」 澪「その言い方はちょっと嫌だな…」 律「じゃあ私はちょこっと準備してくるから!先に帰っててくれ!」 駆け出していく律の背中をしばらく見つめた。 二年前の誕生日に見出だした物足りなさの原因、それは毎年恒例だった律だけと過ごす時間の欠如だった。 中学までは家に律を呼んでお祝いをした後、どうしても時間が遅くなるという理由をつけては一晩律を引き留めていたのだ。 お互いの家に泊まるということもなかった訳ではないのだが、そういった特別な日に律と二人きりで過ごす時間はやはり特別でとても楽しかった。 それをまたこの身に味わうことができる。 そう思うと、家に向く私の足は柄にもなく浮足立っていた。 ――――― ――――― 家に帰ると両親が控えめのケーキとプレゼントを用意してくれていた。 今まさに私の誕生パーティをやってきたとはいえ、やはり両親にとって自分たちの子供、それも一人っ子となるとそういったお祝いをしないではいられないのであろう。 私は素直に「ありがとう」とプレゼントを受け取り、「ケーキはもうすぐ律が来るから一緒に貰っていいかな」と一応のことわりを入れた。 とは言ってももうその時点で夜の十時を過ぎていたし多分ケーキは明日だな、そう思って私は部屋で律を待つことにした。 お気に入りの曲をヘッドフォンで流しながらしばらく何も考えずに過ごす。 すると不意に肩を叩かれた。 律「澪!みーお!」 澪「…あ、ごめん」 律「まったく。それで?これから何する?」 澪「何しよっか」 律「ノープラン…澪?」 澪「いいだろ。いつも通り好きにしてれば」 律「とはいっても澪の誕生日だからなー…」 澪「十分祝ってもらったしいいよ」 律「んー…んー」 そのままぺたりと律は座りこむ。 さすがに一度パーティの熱がさめていたから以前のように寝るまではしゃぎっぱなしというのは少し無理があるかもしれない。 それでも真剣に何か発案しようとしてくれる律の姿をみると落ち着いていた気持ちが自然と高ぶってきた。 律「んー…っは。何も思いつかない」 澪「だからいいって言ってるのに。そうだ律、ケーキあるんだけど食べる?もう遅いから明日の朝でもいいけど」 律「…いや、今食べよう!なんたって澪の誕生日はあと一時間ちょっとしかないんだからな!」 澪「わかった。じゃあちょっと待ってて」 律「はーい」 誕生日のためのケーキだから誕生日のうちに、か。 普段なら「太るぞ?」なんて言われる所なんだけど私の誕生日だから特別、という風に言われると素直に嬉しいなと思う。 苺ののったショートケーキを二つ、パックでさっといれた紅茶を添えて部屋まで。 普段貰っているケーキやお茶に比べれば慎ましく見えるけれども、大事なのはそこじゃない。 本当に気の知れた人と二人で過ごす時間はかけがえのないものだと感じる。 そこでふとあることを思った。 なんだか恋人と過ごしているみたいだ。 …あいにく私はそういったものに無縁で生きてきたのだけど。 それでもなぜだかその言葉が胸に引っ掛かって、部屋に着くまでの間私はそれを小さく反芻していた。 澪「持ってきたぞ」 律「おー!ありがとな澪」 澪「じゃあ早く食べちゃおうか」 律「ちょい待ち。…本当は十九本あればよかったんだけどな」 小さなケーキの上に一本だけ、律が蝋燭を立てた。 どうやら家から持って来ていたらしい。 律「じゃあ電気、消すぞ?」 澪「そこまでしなくてもいいのに…」 律「いいんだよ、こういうのは気持ちの問題だからな」 そういって部屋の電気を消し、蝋燭に火をともす律。 部屋には小さな蝋燭の暖かい光だけ、私たちを静かに照らしている。 澪「…いいな、こういうの」 律「ん。あらためて…澪、誕生日おめでとう」 澪「ありがとう、律。本当にありがとう」 律「じゃあ一息に、な?」 澪「あはは、二息以上の方が難しいだろ」 律「確かにそうだな!」 澪「じゃあ…ふっ」 蝋燭の火が消え、部屋は再び真っ暗になる。 やがて律の足音が聞こえ、部屋は再び明るくなった。 澪「…蝋燭の光の方が好きかも」 律「澪!あと一つ…」 澪「何?」 律「確かここに…あった!」 律「澪!おめでとう、これ誕生日プレゼント!」 澪「え…?でもさっき唯の家で…」 律「あれとはまた別の…本当は渡そうかどうか迷ったんだけどさ、せっかくだから」 澪「あ、ありがとう!開けていいか?」 律「いいよ」 澪「…わぁ!」 律のプレゼントの包装を解き中身を取り出すと、それは可愛らしいうさぎのぬいぐるみだった。 澪「ありがとう律!でも高かったんじゃないか…?」 律「それは手作り」 澪「え…えぇ!?」 律「…だから、その、もしかしたら変なとことかあるかもしれないけどさ…おかしかったら処分してもらっても構わないから…な?」 澪「ううん!そんなことない!大事にする!律だと思って大事にするよ!!」 律「あ、ありがと。でもその言い方だとまるで私が死…」 澪「えへへ…」 律「…ま、いっか」 嬉しさがこみあげ、思いきりぬいぐるみを抱きしめる。 大好きな人が私のためだけに作ってくれたプレゼント。 こんなに嬉しいプレゼントを貰ったことはない。 律はと言うと、私の方をみて照れ臭そうに笑うばかりだった。 そうして幸せいっぱいの気持ちのままに私の誕生日は終わったんだ。 ――――― ――――― 律「日付変わっちゃったな…」 澪「ああ!」 律「澪、喜んでくれてるのは嬉しいんだけどそんな状態じゃ眠れないぞ?」 澪「だって、だってこのぬいぐるみ!」 律「…本当に作ってよかったよ」 澪「…あ、そういえば律。これいつの間に」 律「なんだかんだで高校時代より時間あったしな、本見ながら少しずつ」 澪「大変だったんじゃないか?」 律「愛だよ愛」 澪「…愛」 まるで恋人と過ごしているみたい。 さっきの自分の中の言葉が再び浮かび上がってくる。 律「…なんてな!」 澪「冗談なんだ…」 律「そこで落ち込まれても」 澪「…はいはい!少し私の誕生日延長してもいいですか?」 律「やっぱテンションおかしいな…。それでどうしたいんだ?」 澪「寝るまで律は私の恋人役だ!抱きまくらになりなさい!」 律「どうしよう私こんな人知らない…」 澪「だ、だめ…?」 律「…いいよ。じゃあ私がそっちに行くな?」 澪「えへへ」 …勢いで多少ごまかしてはいたけれど、律に恋人役を頼むのにはやはり相当の勇気を要した。 でもそれだけ頑張ったかいあってか、律の抱き心地は律のくれたぬいぐるみ以上に最高のものだった。 はじめは胸が異様に高鳴って律にはそれがばれてしまっていたのだろうけど律は黙ってくれていた。 …でもそれはお互い様だ。 そしてしばらくして、ようやく落ち着いて来た。 落ち着いたというよりは言いようのない安心感を覚えた、という方が適切かもしれない。 その安心感に身を任せているうちに私は眠りについていた。 例の物足りなさなんて微塵もなかった。 おやすみ律、私の…――。 ――――― ――――― 一月十六日、朝。 今日からはまた普通の日々。 昨日がとても幸せだったからだろう、目覚めてから少しだけ残念な気分になった。 幸せ…そういえば律は、そう思って視線を落とす。 律は私の方に体を向けて丸まっていた。 対面して私の腕に抱かれていたのだから少し息苦しかったかもしれない。 それでも背を向けないでいてくれたのは律の優しさかそれ以上の何かか。 できれば後者だったらいいなと思って、昨日気付いた自分の中の気持ちを確かめる。 …そうだ、昨日の夜に私は気付いてしまったんだ。 再び律の寝顔を見つめると今度は顔が熱くなってくるのを感じた。 これぐらいならいいよね…? それから私は小さく呟き、律の頬にそっと唇を落とすのだった。 おわり。 名前 コメント
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澪(律をギュっと抱きしめてみたい…) 澪(律はちょっかいでよく飛びついてくるけどああいうのじゃなくてちゃんとギューっと抱きしめてみたい) 澪(けどなあ…) 澪『律!!私律をギューって抱きしめたい!!』 澪(そ、想像するだけで恥ずかしい///それに私のキャラじゃないし///)カァー 澪(それにもし律に引かれたり断られたら……)サァー 澪「はあ…どうしよう」 律「何をどうしようって?」 澪「わああああ!!律!!いつからそこに!!」 律「んー?澪が赤くなったと思ったら青くなったあたりかな、それでなにがどうしようなんだ?」 澪「な、なんでもない!!律にはまったく関係ない!!」 律「なんだよー親友だろー?水臭いぞー」 澪「ほ、本当になんでもないからっ」(誰のせいだと思ってるんだよー) 律「むう…」 澪(しかし改めて見ると律細いなあ…) 澪(なのにギュってするとすごく温かいんだよなあ) 澪(ん??なんで律をギュっとすると温かいって知ってるんだろ?) 澪(あれ?そういえば私律に抱きついた事何回もある!どうやって?) 回想 犬『グルルルルルッワン!!ワン!!』 澪『わあっ!!』ギュー テレビ『おわかりいただけただろうか』 澪『きゃあああああ!!』ギュー さわこ『う゛ーる゛ーさーいー』 澪『ひゃあああああ!!』ギュー 回想終わり 澪(これだ!!) 澪(そうだ!必死だったから気付かなかったけど今まで何回も無意識に律に抱きついてたんだ!) 澪(怖がってる振りして抱きつけば自然だし律も受け入れてくれるはず!!) 澪(ちょっと騙してるみたいで気が進まないけど仕方ないよね…うん仕方ない♪) 澪(そうと決まれば目の前に律もいるし作戦開始!!) 澪「あ、あー律やっぱり相談に乗ってくれないかな」 律「おー話す気になったか」 澪「じ、実は昨日怖いテレビ見ちゃったから今も怖いんだ」 律「へ?なんで怖がりの澪が怖いテレビ見るの?」 澪「そ、それは…えーと新しい歌詞の参考にしようと思ってっ」 律「どんな歌詞書く気だよ!!」 澪「い、いいだろ!…オホン…まあそういう訳で些細な事も怖いんだよ」 律「んー?別に怖がってるようには見えないけどなあ…」 澪「こ、怖いの!!」 キーンコーンカーンコーン 澪(チャンス!) 澪「キャ、キャー(棒)」ギュー 律「わっな、なんだよ」 澪「変な音がしたー(棒)」ギュー 律「……いやチャイムだろ」 澪(んー律温かくてきもちいい、けどそろそろ離れて) 澪「ご、ごめんなーりつー」 律「いや別にいいけど…」 トンちゃん「ぶくぶく」チャプン 澪(ありがとうトンちゃん!) 澪「わーあっちに何かいるー(棒)」ギュー 律「……いやトンちゃんだろ」 澪(こんなにしっかり律に抱きついたの初めてかも…なんかこの匂い安心する)クンクン 澪(よしもう1度離れて) 澪「と、トンちゃんだったのかー勘違いしちゃったー」 律「……」 澪(次はもっと思い切り抱きついてみよう)ワクワク ジャズ研「タラリラー♪」 澪(よーし) 澪「わ、わーおばけの演奏会だー(棒)」gy 律「ちょっと待った」ピシ 澪「え、え?律?」 律「お前はさっきから何をやってるんだ…」 澪「え、えーとそのえーと怖いから?」(ば、ばれた!?) 律「そんな怖がり方があるかあああ!!」チュドーン 澪「きゃああああああ!!」 -------------- 澪「…」←正座 律「で、なんでこんな変な事し始めたんだー?」(まあこれは…そういう事かなあ) 澪「…」 律「黙ってちゃわからないぞー」 澪「うっ…だって…」グスッ 澪「律に抱きつきたかったんだもん」グスッ 律「!」 澪「だけど私から抱きついたら絶対変に思われるしからかわれるし…だからこんな方法しかなくて…」グスグス 律「あ、あーそのー」 澪「そのくせ律はペタペタ引っ付いてくるし、なのに私はギューって出来なくて…だから…だけど」グスグス 澪「ごめんなさい…」ポロポロ 律「えっとその」 澪「うっうぅ…」ポロポロ 律「あーもう!!///」ギュー 澪「! りつぅ…」 律「別に怒ってるわけじゃないんだからさあ…泣くなよぉ」 律「むしろすごく嬉しいんだからな」 澪「嬉しいって…?」 律「全部だよ!澪が私に抱きつきたいって思ってくれた事も」 律「そんな事の為に下手くそーな嘘ついてた事も」 律「抱きつきたいって気持ちを打ち明けてくれた事も」 律「全部嬉しい、ああもう超嬉しい!!」 律「だからさ…これからは抱きつきたい時は言えよ?りっちゃんは24時間ウェルカムだからな」ニコ 澪「…うん」ギュー -------------- 梓「そろそろ練習始めましょうか」 唯「えーもう少しだけお茶しようよー」 澪「こーら唯、もうお茶の時間は充分取ったろ?いい加減始めるぞ」 梓「流石澪先輩です!!」 唯「ふぁーい」 澪「だけどその前に…律!」ギュー 律「へいへい」ギュー 梓「また始まりました…」 唯「この頃は演奏の前に絶対ギューってしてるよねー」 梓「演奏の前どころじゃありませんよ…1日何回やってんですか」 紬「ふふ、でもそのおかげかりっちゃんも澪ちゃんも前よりすごく良い演奏するようになったわね」 梓「それもそうですね」 澪「んーりつぅ…」ギュー おしまい 律に抱きつく澪さんかわいい(^-^) -- アクティブ (2012-03-10 13 01 21) 甘える澪かわいい!何回も読んでしまう -- 名無しさん (2012-06-24 21 07 48) 名前 コメント
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投稿日:2010/11/22(月) 23 19 30 「なあ澪、今日が何の日か知ってる?」 律は澪にそう訊ねた。 「なんだよ、11月22日、『良い夫婦の日』だろ?それがどうしたんだ?」 律はにわかに不機嫌な顔つきになり、澪はそれを見てクスクスと笑った。 「何笑ってんだよ、澪?」 「いや、なんていうか、律可愛いなって」 そう言うと澪はまた笑いだした。律は自分の顔がみるみる熱くなっていくのを感じた。 「おい変なこと言うなよ、澪!」 「ごめんごめん」 澪は笑うのを止め、一呼吸おいてからこう続けた。 「でもさ……律ってば何を期待してそんなこと訊いたのかな?」 澪は、今度は声は出さず、悪戯っ子のようなにやにやとした笑みをもって律を見た。 律はいよいよ顔を真っ赤にし、下を向いたきり押し黙ってしまった。 少しの間沈黙が流れると、澪はいよいよ自分がやりすぎたことに気づき、律に謝罪の言葉を投げ掛けようとした。 すると、ちょうどそのとき、律は小さな声で、しかし澪の耳には届くはっきりとした口調でぽつりと呟いた。 「澪とその…したい」 その言葉に澪は微笑を浮かべ、律の体を引き寄せそっと抱き締めた。 「ごめんな律、からかったりして」 「いいよ…だって澪だもん」 「ありがとう」 それから二人は寝台に潜り込んだ。 だが、澪は一向に律の服を脱がせようとはしなかった。 ただふたり体を向かい合わせ、互いに固く相手を抱きしめるだけの時間が続いた。 「なあ、澪。服、脱がないの?」 「ああ」 「汚れちゃうよ?」 「いや、今日はしないことにした」 「え?どうして……」 「ん~、今日はこうやってずっと律の感触、存在を確かめていたいんだ。ダメかな?」 「私はいいよ。だって澪、あったかくて気持ちいいから、さ」 「それは良かった」 そういうと澪は律に向かって優しく微笑んだ。 律の方もそれに応えた。 ずいぶんと長い間そのままでいた。 やがて律は安らかな寝息を立て始め、それからほどなくして澪も眠りについた。 そのようにして澪と律、二人にとっての11月22日は幕を下ろした。 fin いいねいいね -- 名無しさん (2012-07-29 18 33 59) 名前 コメント
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律「こんにちはー」 澪ママ「りっちゃんいらっしゃい!あら、澪は?」 律「澪は一人で買いたい物があるとかで、私だけ先に来ました」 澪ママ「そう・・まあいいわ。澪はパニックになるといけないから、りっちゃんに先に話しておいた 方がいいかもしれないわね・・さ、あがってちょうだい」 律「はい・おじゃまします(なんか嫌な予感しかしないなぁ)」 居間 澪ママ「りっちゃん」正座 律「は、はい!」正座 澪ママ「澪と相変わらずうまくやってるのかしら?」 律「はい//大学を卒業したら養子縁組して同じ戸籍にしようなって相談してるんです//」デレ 澪ママ「そう・・」はぁ 律「??あの、やっぱり反対なんでしょうか・・」 澪ママ「そろそろそういう話があるんじゃないかと思ってたのよ。だからその前に真実を伝えておく必要があると思ったの」 律「・・・ど、どういう・・」汗 澪ママ「気を、確かにね。実は澪とりっちゃんは・・・」 ゴクリ 澪ママ「血が、繋がっているの」 律「!!!!!???」 澪ママ「それでも二人の絆が変わらないのであれば、私は反対しないわ」 律「ま、まさか。韓国ドラマじゃあるまいし・・。うちのお父さんと澪のお母さんが昔つき合ってたとか、そんなはずありませんよね!?」 澪ママ「ええそうね。それはありえないわ」 律「だったらどうして!?」 澪ママ「実はね、澪の父親は・・」 律「父親は・・」ゴクリ 澪ママ「りっちゃん、あなたよ」 律「は?」 澪ママ「りっちゃん、あなたなのよ」 律「はぁぁぁぁ!?」 澪ママ「りっちゃんは覚えていないのかしら、でも私は忘れないわ。女ですもの」 律「私も女ですけど!しかも0歳の!」 澪ママ「そうね。愛は性別と年齢の垣根なんて簡単に飛び越えてしまうものよ」 律「飛び越えたら犯罪ですけど!私乳児ですけど!!」 律「ていうか、もしかしてとは思うんですけど、今日ここに呼ばれたのってまさか、4月1日的な目的の為じゃないですよね??」 澪ママ「フッ、いいわ認知してほしいなんて思っていないから」 律「嘘の方を認知してください!」 澪ママ「そうね。残念だけど、これは嘘よ。今日は私から次々と嘘が飛び出します」 律「ええええ!やめてください!・・お母さん面倒くさいよー、澪ー」 澪ママ「呼んだか?」 律「ええ、呼んだのは澪ですけど」 澪ママ「澪は私だけど」 律「ちょっと・・今度は何の遊びですか!」 澪ママ「さっきはふざけてごめんな。私年を取ったらママにそっくりになったから、ママの真似をしてみたんだ」 澪ママ「私は未来から来た澪なんだよ」 律「それは大変ですね」シラー 澪ママ「グスっ・・律なら信じてくれると思ったのに・・私の目を見て」ウルウル 律「はぁ、わかりましたよ」ジー 澪ママ「どう?律ならわかるだろ?私だって。それとも、年をとったらもう愛してくれないのかな・・・」シュン 律「・・・・!」キュン (あれ?ヤバい私何キュンキュンしちゃってんの!どう見てもこの人は澪のお母さんだから! でも、よく見たら目元とか澪そっくりだし・・) 澪ママ「りつぅ・・私元の時代に戻れなくて困ってるんだ。律にまで拒絶されたら私・・」ウルッ 律「!!!澪!」キューン 澪ママ「信じてくれた?律、本当に信じてくれたなら私にキス、して? それともおばさんの私じゃ嫌かな・・」 律「そんな事あるか!年を取ったって澪は私の澪だ!好きだ!澪!」 澪ママ「ありがと。ん・・・・」 律「澪・・・・」スッ ガチャ 澪「こらーーーーーー!!!!」 律「え?」 澪ママ「残念」 律「澪が二人いる!!」 澪「何寝ぼけた事いってるんだよ!」ゴチン 律「あいたーー!!」 澪ママ「澪ちゃんおかえり。心配しないで、ただのエイプリルフールだから。私がりっちゃんを大好きなのは本当だけど」 澪「ママ!!」 澪ママ「怖いわねえ、心配しなくてもキスはしてないわよ。 晩ご飯、今日はお寿司とってあるから一緒に食べましょ?ね?」 律「おいいいいいいい!・・・・・」愕然 澪「はあ、律のバカ」 律「誤解だぞ!まったくの誤解だからな!澪!」 澪「浮気はゆ・る・さ・な・いからな!」ギュー 律「いひゃい!いひゃい!ほっぺが取れる!」 澪「せっかく律にプレゼント買ってきたのになー、あげるの止めようかなー」 律「!も、申し訳ありませんでした。騙されたとはいえ私が悪かったです!」 澪「しかたないな、ほら、あげるよ」ホラッ 律「ははー、ありがたき幸せ!なんだろーなー//」ガサガサ ビックリ箱 澪「わーい!騙された!驚いたかー!」ドヤッ 律「・・・・・澪、かわいい・・」 澪「え//どうしたの?突然///驚き過ぎておかしくなったのか?」 律「澪かわいいよー!嘘がかわいいよー!お願いだから年を取っても、ずっと可愛い澪のままでいてくれよー!」シクシク 澪「変な律//」 律「へへ//安心したらお腹減ったな」 澪ママ「おまちどーさまー、りっちゃんごめんね、沢山食べてね!」 律「いただきまーすって、これ、」 律澪「親子丼じゃん!!」 おわり ついに出された、親子丼(笑) -- 名無しさん (2012-04-04 02 33 49) ついにキタw -- 名無しさん (2012-04-05 23 37 09) 親子丼ネタww -- 名無しさん (2012-04-28 02 20 22) 名前 コメント
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ぴっ。 ぴっ。 ぴっ。 真っ白な部屋に規則正しく電子音が鳴る。 私の無力を嘲るように。 ぴっ。 ぴっ。 ぴっ。 涙はとうに枯れた。唇を噛んで電子音を聴く事しかできない。 ぴっ。 ぴっ。 ぴっ。 律は一向に目を覚まさない。医者も半ば諦めているのか。 「……律…」 私の声はすっかりかすれていた。 そんな声でも、静かな部屋にはゾッとするほど響いた。 ――――りつ! 律「なんでぇ、みおしゃん。でっかい声でぇ」 澪「カレー作ろうって言ったろ!なんでルゥを買い忘れるんだ!」 律「あー…てへッ☆!」 澪「馬鹿律!」グッ 律「あー!あー!買いなおす!もっかい行くから!」ビクビク 澪「当たり前だ!…ほら、お金」 律「おお!……物は相談なんだけど…?」 澪「ん?何だ?」 律「お釣りで煙草買っていい?」 澪「」 へへっ!いってきます!――――― がばっ! 澪「…っ!」 夢だった。私と律が最後に話した日の夢。 あの夢の続きで、律は。 ルゥを買いに行く道すがら、律は女性が引ったくりに遭うのを見た。 引ったくり犯を追いかけた律は、その犯人に刃物で刺されてしまった。 引ったくりに遭った女性が見つけた律は血まみれで横たわっていた。 私があげたジッポを握りしめて。今は私が握っている、このジッポを。 澪「……うあぁ…」 なぜ?何故あの時私は律に着いていかなかった? 何のために私の身体が、腕が、掌が、律より大きい? こんな無力な両手―――切り落としてしまいたい なあ神様、こんな二人きりのドリームタイムなんかいらないよ 時間を戻してくれ、頼むから 一生のお願いだ、今だけ、今だけ 私たちの為だけに世界をまわしてくれよ ぴくん 澪「!! りつっ!」 ぴっ。 ぴっ。 ぴっ。 澪「はは…は…うぅ」 律の手が私の手を握り返した…気がした 澪「…ああ、そうか」 これは罰なんだ 律をしっかり見ていなかった私の、罰 澪「そうだろ?…神様」 どんな罰でも受けるさ、律が目を覚ますなら だから、私達を引き裂かないでくれよ 「…りつ りつ、りつ」 「…律」 法律の律、旋律の律 「り、つ」 ああ、なんて美しい名前なんだろう 「律、りつ、りつ」 ――――今頃気付いたのかあ? そんな声が、聞こえた気がした 季節外れの海、少し肌寒い。 晴れ渡った空、青すぎる海 心地良い、慣れ親しんだ煙の匂い 確かに私の肩を抱く、やさしい旋律 そして私は、 そのメロディの 「 」 世界一、美しい名前を呼ぶ おわり 唯「それぞれのしあわせ!」のオマケとして、少し長くしたものを百合ノートさんにまとめていただいています。 よろしければそちらも読んでいただけると幸いです。 -- これ書いた奴 (2011-03-07 17 12 02) 名前 コメント